相続手続き流れ

相続手続きの流れ

相続の発生(被相続人、故人の死亡の日から)

7日以内 ・死亡者の住所地の市区町村役の戸籍係に死亡届を死亡診断または死体検案書と一緒に提出。

・遺言書の確認・相続人の確認

※遺言書があれば、家庭裁判所の検認手続きが必要。遺言書が法務局で保管されている場合や公正証書遺言は、家庭裁判所の検認手続きは不要。

3カ月以内 ・相続の放棄、限定承認の申し立て被相続人の住所地の家庭裁判所へ

限定承認とは、被相続人のプラスの財産範囲内で財産を引継ぐ相続のこと。

4カ月以内・被相続人の所得税申告・納付(準確定申告)

被相続人(故人)に所得があった場合、相続人が代わりに確定申告をおこなう必要があります。(準確定申告)被相続人(故人)が事業をおこなっていたり、2,000万円以上の給与所得がある場合は所得税の準確定申告をする必要があります。

準確定申告をおこなったら相続人が被相続人(故人)の代わりに所得税を納めます。

10カ月以内・相続税の申告、納付

相続税には基礎控除があり、相続財産が基礎控除額以下であれば相続税を申告する必要がありませんが、基礎控除を超える場合は相続税申告と納付手続きをする必要があります。相続税申告と納税の期限は相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内です。

10ヵ月を過ぎると延滞税などがかかってしまいます。また、遺産分割協議が終わっていなくとも、相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月が経過すると延滞税などが発生してしまいます。遺産分割協議が終わっていない場合は、法定相続人が法定相続分で取得したものとして相続税申告と納税をおこないます。

そして、遺産分割協議がまとまった後、その内容に応じて相続税の計算をおこない、税務署で手続きをおこないます。相続税を払い過ぎていた場合は還付を受け、相続税が不足していた場合は追加で支払うことになります。なお、相続税を支払えない場合は、遺産そのものを支払う物納や分割で相続税を支払う分納が可能です。

1年以内・遺留分侵害請求

配偶者・子供・親など、一定の範囲の相続人には遺産の最低限の取得分が認められています。一定の範囲の相続人に認められた最低限遺産を取得できる権利を遺留分と言います。

例えば、相続人が配偶者のみの場合、配偶者には遺留分として遺産の2分の1を受け取る権利があります。仮に遺言書に「全ての遺産を愛人に渡す」と書いてあったとしても、配偶者は遺産の2分の1を受け取る権利がありますので、愛人に対して「遺産の2分の1を受け取る権利があるので、遺産の2分の1を渡してください」と請求することが可能です。

このように他の相続人等に請求することを遺留分侵害額請求と言います。遺留分侵害額請求の期限は被相続人の死亡と遺留分侵害の事実を知ってから1年以内です。ただし、遺留分侵害の事実を知らないまま10年が経過してしまうと遺留分減殺請求ができなくなります。