会社の設立の流れ(会社設立前~定款作成・認証)

1.会社設立前の準備

会社設立前には、定款や登記事項に定める最低限必要な項目を決めておきます。具体的には「会社名(商号)」「事業目的」「資本金」「機関設計」「決算月・設立日(事業年度)」「本店所在地」となります。

「会社名(商号)」

商号とは「会社名」のことで、会社法上,会社は必ずその商号を定め,また株式会社など会社の種類を明示しなければならないとなっています。

「事業目的」

その会社を設立するにあたり具体的に会社で何を事業とするのかを目的として設定するものです。

「資本金」

資本金とは、その会社の株主が事業を円滑に進められるように出資した金額(株式の総金額)のことです。

「機関設計」

会社が、組織として事業活動を行っていくには、組織の運営・管理を含めた法的判断および意思決定を下すための機関が必要となります。株式会社で言えば、「株主総会」、「取締役」、「取締役会」、「監査役」、「監査役会」、「会計参与」、「会計監査人」、「監査等委員会」、「指名等委員会」など多くの機関がありますが、設立時に取締役と株主総会が必須の機関となります。

「決算月・設立日(事業年度)」

会社の決算日は自由に決められます。ただし、会社設立日から1年を超えて設定することはできません。会社を設立する際に定款で会計年度を定めることになり、それに伴い決算日の設定が必要になります。会社の設立日になるのは登記が完了した日ではなく、法務局に会社の設立登記を申請した日です。

「本店所在地」

定款や登記事項に定める会社の住所地を「本店所在地」といいますが、必ずしも事業活動をしている場所と一致させる必要はないため、レンタルオフィスや自宅を本店所在地とすることも可能です。

2.定款の作成と認証

法人の登記申請には、定款(ていかん)という、会社の基本的な規則を示したものが必要になります。定款の作成から認証までは、以下のような流れで行います。

1)定款の記載事項を決める
2)発起人全員の実印・印鑑証明の用意をする
3)発起人全員の同意により定款を作成する
4)公証役場で定款の事前確認をしてもらう
5)公証役場へ行き、正式に定款の認証をしてもらう(合同会社は不要)
6)定款の謄本を取得する

定款の作成

定款の書き方には決まりはなく、用紙も定められていないため、wordなどの文書作成ソフト等を使って作成します。

定款に記載する事項は、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」を中心に作成します。特に「絶対的記載事項」は、1つでも記載がないと定款が無効になってしまいます。

定款の絶対的記載事項

・商号(社名)
・目的(事業目的)
・本店所在地
・資本金(設立に際して出資される財産の価額またはその最低額)
・発起人の氏名または名称及び住所
・発行可能株式総数(絶対的記載事項に準ずる事項)定款の認証

定款の認証は、本店所在地を管轄する法務局か、地方法務局の所属する公証役場で行います。

定款の認証は郵送では行えず、また公証人が本人確認をするため、直接公証役場に行かなければなりません。発起人全員で行くのが原則となっていますが、委任状を書いて代理人に依頼することもできます。